ピーター・オークレーについて。

ピーター・オークレーは、動画共有サイトYouTube上でgeriatric1927というユーザーネームを用いて人気を得ていることで有名なイングランド在住の年金生活者です。彼は自身の人生で経験してきたことを語る自叙伝的動画「Telling it all(全てを語る)」シリーズを週に1回くらいのペースで配信しており、その優しい語り口と、86歳という高齢ながらもインターネットを駆使している点で人気を呼び、数々のメディアにも取り上げられました。初登場からわずか1週間たらずで彼はYouTubeで最も予約購読されるユーザーとなり、彼の活躍がYouTube自体の知名度を上げることに大きく貢献したともいわれています。

初登場と「全てを語る」シリーズ

オークレーのYouTube初登場は、2006年8月のことでした。最初のビデオは「first try」と名付けた自己紹介ビデオでした。このビデオは現在までに290万回以上も再生されています。この最初のビデオ以降、彼は「Telling it all」と題した自叙伝のシリーズビデオの製作を始めます。このシリーズはYouTubeコミュニティの幅広い層ですぐさま人気を得て、彼はほとんど一夜にしてインターネット・セレビリティーの地位に押しやられ、BBCやITVの朝番組「GMTV」など数々のニュースメディア上で言及されることになりました。一方、そのユーザーネーム「geriatric1927」のせいで、彼がWebサイト(オークレーのユーザー名と同じサイトがいくつか存在していた)へ呼び込むための架空の人物ではないかという憶測が生まれました。オークレーはこれに対し、「Telling it all」の第7回目で、これらのサイトとは全く関係がなく自分は雇われの身ではないと語っています。「Telling it all」シリーズでオークレーは、彼の人生に起きた出来事や人生の節目について語っています。

「全てを語る」で語られたこと

彼の成長期は第二次世界大戦の真っ只中であり、ドイツ空軍に爆撃された街で思春期を過ごしました。1930年代はイングランド地方の初等、中等教育制度の中で育ち、14歳を過ぎた頃には継続教育機関への選抜という運のいい待遇を受けました。この時代に育った者の特典といえたのですが、知性が備わっていると思われる子どもは別扱いにされたのだそうです。英国軍へ徴兵されると、レーダー技術者として配属されました。この配属は、上官が彼の素質を見出した結果決まったことで彼は再び幸運な選抜を受けたと感じたそうです。この任務のおかげで彼は戦闘に関わらずにすみ、悲惨な戦場の目撃者とならずにいながら、それでもやはり必要不可欠な戦時の仕事に就くことができたのでした。一般市民の生活に戻れるようになってからは、レーダー技術者の仕事から永久に離れることになりました。イングランドのレスターで高等教育を受けていた時期に、彼は将来の妻と出会いました。またこの時期からオートバイにも情熱を傾けるようになったそうです。その後彼は、レスターで環境衛生管理士として勤務していました。現在は妻に先立たれ、イングランドに一人きりで年金受給者として暮らしているのだそうです。

ユーザーからの反響

オークレーのビデオは一般ユーザーから大きな反響を得ました。コメント欄には「あなたが僕のお爺ちゃんだったらよかったのに」や、「あなたのお話は面白くて気持ちが豊かになってくるんです。頑張って続けてください!」というような応援メッセージが次々と送られてきました。オークレーは彼の世代にしてはコンピューターに明るく、またインターネットを使って個人で動画をアップロードするという若者でも難しい、当時では最新の流行を実行していたため、「この世で一番クールな年寄り」などと呼ばれていました。また、彼の温かみのある「我が家のおじいちゃん」的なスタイルの話し振りも好評を得ていて、沢山のユーザーが彼の動画を見るとさわやかな気分になると語っています。彼の動画は必ず「ハロー、ユーチューバーズ」または「グッド・イブニング、ユーチューバーズ」という言葉で始まります。そしてどの動画も視聴者に感謝を込めて、柔らかい声で「グッドバイ」といい、締めくくられます。オークレーのYouTubeでの成功は、ほかの大勢の老人達にも大きな影響を与えました。彼に触発される形で、その莫大な人生経験を共有しようとサイト上にビデオ・ブログを投稿する老人が次々に出てきたのです。これを受けてオークレーは高齢者のウェブ利用について採り上げたテレビ番組などにもゲスト出演しました。

この世で一番クールなお爺ちゃん

オークレーお爺ちゃんの動画は聞いているだけで癒される動画です。私は、父方の祖父も母方の祖父も亡くしているので、彼の姿を見ると自分のお爺ちゃんのような気がしてきて安心するのです。彼の話し方はとっても紳士的で優しく、ゆっくりとしたイギリス英語なので、英語が得意でない私でも半分くらいは理解出来ます。話している内容も面白く、自身の戦争体験や、子供の頃の話などは非常に興味深く、勉強になります。86歳と高齢ですが、現在でも週に1回のペースで動画を投稿しており、そのクールなお爺ちゃんぶりは健在です。彼にはぜひ長生きしてもらって、その貴重な戦争体験や、暮らしの知恵を後世に残してほしいですね。

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